消費者庁の21年度予算
新型コロナウイルス問題を受け、消費生活相談体制のデジタル化推進予算などを盛り込んでいた消費者庁の来年度(2021年度)予算が20年12月21日、閣議決定を受けた。 総額は、今年度(20年度)予算に対して1.6%減の121億6600万円(一般会計と復興特別会計の合計)。 9月の概算要求では168億5500万円(同合計)を求めていたが、減額された格好。
一方、同日に閣議決定を受けた今年度第3次補正予算19億6000万円は、年度内に消化できなった分を来年度に持ち越す想定。同補正を含めた総額は約141.3億円で、 今年度比は17.7億円増となる。
本予算の要求額からの減額は、「国民生活センター運営費交付金」と「地方消費者行政強化交付金」の引き下げが主な理由。要求額に対する決定額は、 「国民―」が46億1700万円に対して30億2600万円、「地方―」が31億5000万円に対して18億5000万円。今年度予算比は「国民―」が3.0%減、 「地方―」が7.5%減。
一方、両交付金とも第3次補正で追加要求が認められており、補正額は「国民―」が8億8000万円、「地方―」が6億円。同補正を含めた額はいずれも今年度を上回る。 4~5月の第1次および第2次で追加された分を含む補正予算の合計額は、「国民―」が計10億9000万円、「地方―」が計16億円で、合わせて約27億円。
同庁は来年度、重点化事業とする〝AI、IT等デジタル技術を活用した消費者被害の防止・情報発信〟〝非常時における対応力の強化〟〝ぜい弱な消費者の保護とともに、 消費者・事業者の「協働」による課題解決の促進〟の3テーマを推進。
この一環として、消費生活相談体制のデジタル化などを推進するため、「国民―」から7億8000万円、「地方―」から24億5000万円円を充当(3次補正含む)。 具体的には、感染症問題や他の自然災害等で消費生活センターの相談員等が出勤できない事態などを想定し、相談対応業務に不可欠な「PIO―NET」を 職場の外から利用できるように、システムに接続する端末を相談員の自宅等に配備可能とする。
また、SNS等を活用したオンライン相談、テレビ会議システムの構築などを地方公共団体に対して支援。PIO―NET等に係るインフラの強靭化、 デジタル改革に関する取組も推進する。
このほか、指定消費生活相談員の活用による市町村支援や広域連携の活用による市町村間連携を通じた、地方での相談体制作りを支援。CCJ(越境消費者センター)の 相談・あっせん機能の強化には1億円を計上した。
(続きは2021年1月7日号参照)