トップに聞く将来展望 ㊤
界全体が新型コロナウイルス感染症の問題に覆われた2020年。これ以前からMLMビジネスのオンライシフトを進めてきたモデーアジャパン (本社・東京都港区、大井盛夫社長)は、リーダー会員を軸とするZOOM活用の拡大、愛用会員重視のリクルート政策などを背景に堅調な収益を達成。 受講・面談方式をオンラインに切り替えたビジネス支援政策は、コロナ前を上回る数字の達成につながった。大井社長にコロナ下の取り組みと現状を聞いた。 (インタビューはZOOMで12月10日実施)
大井 盛夫 社長
―――今期(=20年12月期)の状況を伺いたい。売上高の見通しは。
「コロナ禍の中でも堅調に推移した。国内の情勢を踏まえれば、全く良いほうだったと思う」
―――利益面は。
「そちらも問題ない状態を保てた。予算化していた(優秀会員を招待する)旅行や社員の出張を見送り、イベントはバーチャルで開催した関係で費用が抑えられた。 経費を効率的に使用できたと捉えている」
―――新規登録はどうだったか。
「コロナの問題が大きくなり緊急事態宣言が出た3~4月は、新規登録が前年より増えた。特に、カスタマー(=愛用会員)は予想通りという感じだった一方で、 ソーシャルマーケター(=ビジネス会員)の登録が当社の見込みより良い結果となった。 理由の一つには、コロナ禍で副業に対するニーズが高まったことがある。コロナの前からビジネスのオンライン化を進めていたことで、オンラインでも取り組みやすい 仕事と認知されたことも大きかったと思う」
―――緊急事態宣言が解除された5月以降の業績は。
「多少、影響を受け出したところはあったが、前年に比べて、大きな波と言えるほどの変動は生じなかった。新規登録をはじめとする主要な指標についても同じことが 言える」
―――フィールドの活動状況について。コロナで対面の接触が難しくなり、オンラインに活動の場を求める流れが業界全体で生じた。 モデーアではどうだったか。
「伸びているグループは全て、ZOOMを中心に活動している。リアルで集まっていた時に比べて、地域や時間、人数に縛られにくい。このことも良い結果を残せた 要因の一つだったと言える」
―――オンラインへの移行はスムーズに進んだのか。
「苦労した方もいらしたが、切り替わってからは上手く活用されていると思う。そもそも、コロナ禍になってから一斉にZOOMを使い始めたわけではない。 2年ほど前から、リーダーとのミーティングなどは日常的にZOOMで行っていた。何をどうやったらよいのか、分かっている人がグループの中に誰か一人はいる 状態だったので、その人達が周囲に使い方を共有していけばよかった。 一方で、ZOOMを使ったプロスペクト(=見込み客)に対するプレゼンテーションの仕方とか、参加してもらう手順などに関しては、 当社としても新たな取り組みになった」
急速に進んだ2020年は、4月にパシフィコ横浜で
予定していた全国大会をYouTubeでの配信に
切り替えて開催
―――どういった点か。
「オンラインで話を聞いた方に対するフォローなどがそれに当たる。例えば、ZOOMで説明会を開いた後、どのようにして登録までつなげていくか。 その際、特商法等が求める手続きをしっかり踏む必要もある。ZOOMに招待する時はきちんと目的等を告げる、あるいは概要書面を送付するタイミングといった点だ。 フェイストゥフェイスの環境で問題なく出来ていたこととギャップを生じないよう、気を付けるべきことの周知徹底を図った」
―――フィールドへの浸透状況は。
「皆さん、上手くやっていただいていると思う。それにZOOMで全てを完結するわけではなく、電話やメールなども併用している。 プロスペクトの形態に合わせて臨機応変にやれているグループほど成長が見られる」
―――ほかにオンライン特有のポイントは。
「対面でやり取りする場合に比べて、相手の方を拘束することがない。特商法の観点から見て良いことだし、リアルの説明会より参加してもらいやすい。 ソーシャルマーケターにとって、仕事をしやすくなったと思う。 また当社の場合、カスタマーとして登録することもできるし、コロナ以前からカスタマー登録を推奨する政策を取ってきた。 製品を入口とした登録までのプロセスが出来上がっていたことは、オンラインでも有利に働いた」
―――MLMビジネスの提案に対する反応はどうか。
「コロナで変わってきたことの一つに、こちらから(ビジネスを)お誘いする前に、相手のほうから聞いてくるパターンが増えたことがある。 その点で言うと、より幅広いアプローチをしやすくなったと思う」
―――会社主催のセミナーもオンラインに移行した。受講状況や、受講者のその後の活動状況は。
「オンラインで開催するようになったものの一つに、『マスタープロモーター(以下MP、※1)』の認定セミナーがある。コロナの前は、 トレーナーが各地に出張して開いていたが、今はご自宅等からタイムリーに参加いただける。 受講までの待ち時間が短くなり、認定を受けるタイミングが早くなったことで、目標のタイトルへ昇格するまでのスピードも速くなった。 オンラインに移行した当初はどうなるか心配もしたが、うまく回っている」
(続きは2021年1月7日号参照)