総務省の調査で判明 健康被害情報、保健所などで 把握したのに通知されず
今回の勧告は、厚生労働省に対しても実施。保健所が、医業類似行為で健康被害等を生じた相談を受け付けたのに、 多くのケースで事実確認を行わずに関係機関の案内のみ実施していたとして、都道府県等に事業者等の指導を徹底させることを厚労省に求めた。
調査は18年3月~20年11月に実施。あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう等を含む医業類似行為、 エステティックサービスに関する健康被害の把握・通知状況を調べた。対象機関は都道府県の消費者行政担当部局12カ所のほか、都道府県警19カ所、 市町村24カ所、東京23区4カ所、国民生活センターなど。
通知の対象となっている情報は、死亡、負傷、疾病等(治療期間1日以上)をともなう消費者事故。通知は、関係行政機関や地方公共団体から 消費者庁に対して行われ、定期公表や注意喚起が行われる(警察や消防が把握した情報は警察庁および消防庁経由で通知)。 通知すべき情報の考え方などを示したマニュアルが用意され、判断を迷うケースでも幅広に通知を求めることとなっている。
しかし、調査した46保健所等の4分の3にあたる34カ所において、健康被害情報を含む苦情など計174件が受け付けられていたのに、 14~17年度の一度も消費者庁への通知が行われたことがなかった。不通知の主な理由は、通知制度の不承知に加え、 健康被害との因果関係の判断が難しいことだった。
(続きは2020年12月10日号参照)