物流拠点、アムウェイが初の大規模改修
▲1997年より稼働する「八王子流通センター」
これまでも徐々に設備の見直しを行ってきた。17年には最新の倉庫管理システムを導入。が、「完全に設備をリニューアルするのは今回が初めて」 (櫨木哲也ディストリビューション部マネージャー)となる。近年の同社は「プライムカスタマー(愛用会員)」の急増、注文の一層の小口化、 注文数の増加が見られていたといい、これに対応する必要に迫られた。
リニューアル後の1日あたり平均出荷数は約2万1000件。最大で約2万5000~2万6000件の出荷を可能にしたとする。
後ろ倒しを可能としたのは、設備の全面入れ替えに加え、作業人員のシフト体制を従来の1シフトから2シフトに移行したことが大きい。 これにより、センターの稼働時間は朝8時から夜22時~23時に延長。1日あたりの作業人員数は、1シフト時代の70~80人に対して、 2シフトの現在は延べ約150人に増やした。
▲2シフト体制にともない作業人員を2倍の約150人へ増員
なお、現時点で、ピッキング等の作業におけるロボットの導入は「費用対効果の部分で結論が出ていない」(櫨木マネージャー)として検討の段階。
同社のように多品種の製品を扱う場合、大きさの異なるカートン(製品発送用の段ボール箱)をさばく作業はロボットにはまだ難しいという。新たに導入した最新鋭の設備や管理システムは、物流システムサービス大手の豊田自動織機トヨタL&Fカンパニーの協力を得た。 同カンパニーの米国子会社は過去に米アムウェイの物流システム刷新を担当。この時の知見も活かしたことから、 現在のオペレーションは「基本的にアメリカでやっているものに近い」(櫨木マネージャー)という。
まず、1台目のウェイトチェッカーでカートンのみの重量を計測。その後、ピッキング作業を経て、製品が入った状態のカートンを2台目で測り、 差し引きで導かれる正味の重量を管理システムに登録された製品の重量と比べる。問題がなければパッキングの工程に移り、 重量に誤差があれば改めて人の目で内容物を確認する。最初にカートン自体を計測するのは、夏場と冬場でカートンに含まれる水分量が変わるなどして、 重さが変わることがあるためという。
(続きは2020年12月3日号参照)