北海道が寝具訪販処分

条例の「お断りステッカー」規制、初の適用
▲ステッカー規制を始めた2010年度から
   19年度までの間に、約132万枚のステッカーを
  行政が全道で配布(写真は道作成のステッカー)
北海道は11月11日、寝具訪問販売の個人事業者「『トータルケアサポートぬくもり』こと猫宮稔英」(所在地・札幌市白石区菊水) に特定商取引法処分と道消費生活条例に基づく勧告を行った。条例では、いわゆる「訪問販売お断りステッカー」(以下ステッカー)を貼っていた家を訪ね、 勧誘および契約締結を行っていたことを認定した。道条例のステッカー規制の適用は、2010年の導入後で初めて。
行政配布のステッカー、玄関に貼付
 特商法認定された違反行為は勧誘目的等不明示、再勧誘、書面不備、迷惑勧誘。処分内容は業務停止命令3カ月と指示。 同事業者は〝ネコミ屋〟を名乗って営業していた14年5月にも、特商法で6カ月の業務停止命令と条例による勧告を受けていた。
 今回の処分までに道内で寄せられていた関連相談件数は11件(18年度以降の集計)。相談当事者の平均年齢は80歳で、全員が女性だった。 道の環境生活部くらし安全局消費者安全課によれば、相談当事者と結んでいた契約の総額は約350万円。
 特商法の認定事例によれば、氏名や勧誘目的等を明らかにせず「布団を見せてほしい」などと告げて訪問。「お金がない、買えない」「娘に怒られるから、 いらない」などと言って断っても、執拗に勧誘を続け、契約を結んだ際は法定記載事項を満たさない書面を発行していた。
132万枚を配布道内の普及率46%
 条例で認定したステッカー規制違反は、玄関に「訪問販売お断り!」と記載されたステッカーを貼ってあった家を訪ね、勧誘および契約締結を行ったもの。 消費者安全課によれば、過去に道内の行政機関が作成、配布したステッカーを貼っていた。また、当該の家がある地域は 「行政がステッカーの全戸配布を行っているような地域ではなかった」という。
 道条例のステッカー規制は、勧誘を受けることを拒絶する旨の意思を示していると判断されれば、ステッカーの形式を問わないため、 民間作成のステッカーやシール、個人が手書きした貼り紙などでも拒絶の意思表示と見なされ得る。
(続きは2020年11月26日号参照)