トップインタビュー シナジーワールドワイド・ジャパン
新型コロナウイルス問題を受け、〝フェイストゥフェイス〟〝サロン集客〟を強みとした従来のビジネスモデルを切り換え、 急ピッチでオンライン化を進めたシナジーワールドワイド・ジャパン(東京都品川区)。リクルート活動、独自の会員トレーニングプログラム、 製品購入・登録手続き、各種セミナーをWEB上で行えるようにしたことで、上半期の苦戦を脱却。通期で5%の増収を視野に入れる。 ベン・S・マガレイ社長に話を聞いた。 (インタビューは9月14日にZOOMで実施)
ベン・S・マガレイ社長
―――上半期(1~6月)の状況について伺いたい。四半期売上は第1Qで約3%減と落とし、第2Qで約4%増と復調した。 コロナの影響をどれくらい受けたか。
「強く受けた。学んだことも多かったが、ショックの大きい上半期だった」
―――どう対応したか。
「シナジーのビジネスモデルはフェイストゥフェイスの強みを活かしてきた。本社のサロンを活動の拠点とする会員も非常に多かった。 それができなくなり、3~5月の間はビジネスモデルのアジャストに大変な労力をかけた。6月から少しずつ調子を戻し、 7~8月はアップトレンドを維持している」
―――その間のリクルート活動は。
「完全に止まったりはしなかったが、アジャストに時間のかかったメンバーやグループは活動量が落ちた。 デジタルやオンラインを駆使した新しいやり方をリーダーのほうでまとめても、それがフィールドに浸透するまでは時間を要した」
―――新規登録数に響いた?
「1~5月の新規は昨年より下げた。が、3~5月でアジャストを済ませたことで、6~8月の新規は昨年を上回った。 結果、1~8月の新規の合計は前年同期と同レベルとなっている」
―――リクルート活動のオンライン移行の状況は。
「活動の場を100%オンラインに移すことは難しい。オフラインとの組み合わせがポイントになる。 組み合わせの比率は、今までは80~90%がオフラインだったとしたら、これからは30~40%くらい。残りがオンラインという方向になってくる」
―――どういった活動がオンラインに移行しているか。
「新規のリクルートは、もう当たり前のようにZOOM等のリモートツールを使ってオンラインで行われている。ZOOMを使った1000人、 2000人規模のミーティングも始まった。 サロンに集まって行われていた『イーグル・システム(以下ES、フィールド主導で韓国市場より導入されたトレーニングプログラム)』のトレーニングは、 大半がオンラインでやられているようだ」
―――「ES」を開発した韓国もコロナの影響で売上が苦戦している(第1Qが約6%減、第2Qが約20%減、現地通貨ベース)。
「韓国は日本以上にフェイストゥフェイスが重視されてきた。会員の年齢層は、日本は6~7割を30歳代以下が占めるが、韓国は40~50歳代が中心。 売上も日本の3~4倍と大きい分、オンラインへの移行やマインドチェンジに時間がかかったようだ。 が、第3Q(7~9月)は売上の回復が見られていると聞く。アプリ版の『ES』の開発も進められ、今年の終わり頃にリリースされる予定。 来年からは、日本語のアプリの運用が始まる見通しだ。ビジネスをさらに活発にしてくれると期待している」
―――登録手続きのオンライン移行は。
「日本は、新規の6割超がオンラインで入ってくるようになった。以前から可能だったホームページ経由の登録に加えて、 昨年11月の韓国大会で発表したメンバー向けの公式アプリや、サロンに設置した『キオスク』というシステムからもオンラインで登録できる。 最初は戸惑われる方も見られたものの、今ではかなり増えた。オンライン登録の際は、 概要書面に印字してある使い切りのシリアルナンバーの入力を必須としている」
公式アプリ(=写真)などを経由し、
オンラインで登録手続きを取る
新規は全体の6割超にのぼる
「製品体験も何もないのでは難しいと思う。特に、当社はプロダクトファーストの会社でビジネスプッシュの会社ではない。何らかの形で対面は必要だろう。 コロナで増えている新規のニーズも、当社のヘルスソリューションにあると考えている」
―――製品の売れ行きに変化は見られるか。
「売上トップ10に入っていた健康食品がコロナ後も全体的に売れている。5月に刷新した『(エナジードリンクの)エネベイト』は、 現在までに目標売上の120%を達成した。病気にならない体作りへの意識が高まったことが大きいと思う」
―――販促の取り組みは。
「会員が製品をプロモートしやすいようにPR動画を作成した。まず『(主力健食の)プロアルギナインプラス』と 『(青汁の)エッセンシャルグリーン』の2製品でリリース予定」
(続きは2020年10月22日号参照)