活況呈す「目元ケア」アイテム ダイレクトセリング化粧品

「ニューノーマル」下で需要増加 「シワ改善」トレンドも追い風に
コロナ禍の中、「ニューノーマル」の生活様式が始まって、早半年。依然として予断を許さない状況であるものの、感染を避けるための指針が浸透してきたこともあって、 感染防止対策を講じながら社会経済活動を盛り上げようとする取り組みが活発だ。消費行動においては、さまざまな市場で「ニューノーマル」下でのトレンドが生まれている。 化粧品分野では、マスク着用を前提とした生活の下、リップ関連が停滞する一方で、スキンケアやメイクに注目が集まっており、 目元ケアでは「シワ改善」などの効果をもつアイテムを投入する動きなどが強まっている。ダイレクトセリング化粧品各社は、消費者ニーズの変化に沿った柔軟な施策を展開している。  
人気アイテムを刷新 国内外で巻き返し
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、マスクを日常的に着用する生活が定着した。外出時だけでなく、テレワークでのリモート会議や商談においてもマスクを着けたまま会話する 場面が多くなることで、化粧品分野では目元まわりのスキンケア、メークアイテムへの需要がにわかに高まっている。目元まわりのスキンケアについては、 もともとエイジングケアアイテムとしてニーズが高いが、最大手のポーラが2017年1月に発売した「リンクルショット メディカルセラム」は、 日本初の「シワ改善」薬用化粧品として注目され、同カテゴリーの拡大に寄与した。その後も、同社は「リンクルショット」シリーズとして、 表情圧に着目した「ジオ セラム」を今年1月に投入。「│メディカルセラム」と併用することで、さらに効果を高めることができるという。 来年1月、ポーラはヒットアイテム「│メディカルセラム」をリニューアル発売する(20㌘・税別1万3500円)。肌の傷の修復に関わる「コンドロイチン硫酸」の働きに着目し、 同成分をシワ部分に増やすメカニズムを導入した。同社が行った試験では、現行品に比べ、シワ改善率が1カ月で2倍以上アップしたデータもあり、 さらなる機能性の強化が期待できるという。
▲薬用シワ改善美容液
   「ノエビア 薬用リンクルセラム」
 現行の「│メディカルセラム」は、これまでに全世界で約110万人が愛用し、258個が販売されてきた。累計売上は328億円規模に上り、 成熟期にある化粧品市場において注目のヒットアイテムとなった。また、国内だけでなく、海外でも人気を博し、インバウンド需要や越境ECといった多様な販売チャネルにおいて、 ポーラブランドへのフックアイテムと位置づけられてきた。コロナ禍の中、国内外で苦戦が続いている同社だが、ここにきて最高峰スキンケアブランド 「B.A」を大幅にリニューアルして発売したのに続き、ニーズが高まっている目元ケアアイテムの定番である「│メディカルセラム」も機能性を強化することで 巻き返しを図りたいところだ。「│メディカルセラム」については、国内では約670店舗の「ポーラザビューティー」を含む約4000店舗のポーラショップ、 67店舗の百貨店ポーラコーナー、公式オンラインショップで展開する。海外では、中国(越境EC)、台湾、香港、タイ、マカオ、シンガポールの6つの国と地域、韓国の免税店と、 主にアジア地域で展開して攻勢を強めていく。
「シワ改善」成分と独自研究組み合わせ
 「シワ改善」を訴求する化粧品は、ポーラではポーラブランドのほか、グループの「ディセンシア」でも展開している。他社では、資生堂、コーセー、 カネボウなど大手が相次いで投入して熾烈な競争を繰り広げられているが、ダイレクトセリング化粧品においてもノエビアが12月5日に同社初のシワ改善アイテムとして、 「ノエビア 薬用リンクルセラム」(45㌘・税別2万8000円)を投入してシワ改善市場に参戦する。
 「シワ改善」の効果をもつ成分は現在複数存在している(ニールワン、ナイアシンアミド、純粋レチノール)。ポーラの「│メディカルセラム」は、 シワの原因となる好中球エラスターゼに着目した独自成分「ニールワン」を配合し、ノエビアの新アイテム「薬用リンクルセラム」では、有効成分として「ナイアシンアミド」を配合した。 同成分は、真皮にあるコラーゲンの生成を促し、シワを改善する働きをもつ。また、メラノサイトの働きを抑制することで、美白に導く作用もあるという。 同成分がシワの奥深くまで浸透し、表皮と真皮にアプローチし、出来てしまったシワを改善するとともに、シミにもアプローチしてエイジングケア をサポートする。「薬用リンクルセラム」では、同社の植物研究の成果も応用し、オリジナル植物エキスの「エーデルワイスエキス」「オドリコソウエキス」をはじめ、 さまざまな美容成分を配合した。2種の植物エキスは、自社農場「北海道暑寒別岳パイロットファーム」で有機栽培した植物から抽出したものを使用した。 販売チャネルは、全国の販売員によるカウンセリング販売のほか、通信販売で展開する(ノエビアスタイルでは11月5日から先行発売)。「美しい未来へ。」をキャッチコピーとして、 ノエビア初の薬用シワ改善美容液としてブランド愛用者を中心に訴求していく。
最高峰ラインで目元ケア製品強化
 「シワ改善」といった化粧品市場のトレンドと、コロナ禍の中での女性ニーズの変化を背景に、この半年で目元用アイテムは特に注目されるようになった。 「シワ改善」成分以外でも、独自の処方を用いたラインナップで新アイテムを投入する動きが活発だ。エフエムジー&ミッションは、最高峰スキンケアブランド 「ミッション ラグジュアリー」のうち、弾力・ハリをポイントとした「ミッション リュクスレーヴ」ラインから、 目元用クリーム「ミッション リュクスレーヴ アイ リキッド クリーム」(15㌘・税別1万6000円)を11月11日に発売する。
▲最高峰ラインで目元ケアアイテムを
   投入(エフエムジー&ミッション)
 同アイテムでは、独自成分として、ハリ・弾力をもたらす「ロイヤルスプリングコンプレックス」を配合。ギリシャ・ヒオス島で採取されるマスティハの木から採取される天然樹脂 「ロイヤルマスチックレジン」、ジョージアのワイン醸造の伝統発酵技術を用いた「ロイヤルジョージアンファーム」、ヒマシオイル、モリンガオイル、 アルガンオイルを組み合わせた「ロイヤルオイルコンプレックス」の独自配合によって、目元をケアする。デリケートな目元のために負担感の少ないテクスチャーを採用したほか、 目元のバリア機能をサポートする「脂質液晶コンプレックス」を配合。さらに、ブランド共通の成分に加え、共通の香りとしてロイヤルフローラルブーケの香りも用いており、 ラグジュアリーラインとしての機能性と満足感をもたらすという。