海外MLM短信 19年のDS市場規模

4.3%減の1804億ドル中国3割減、健食業界統制で
   訪問販売協会世界連盟(=WFDSA、米ワシントンDC、マグナス・ブランストローム会長)が7月1日までにまとめた2019年の世界の ダイレクトセリング市場規模(小売ベース、付加価値税含まず)は、中国の大幅減を要因として、米ドル換算ベースで前年比 4.3%減の1804億7900万ドル(約19兆6730憶円)となった。過去最高だった18年(1929億4900万ドル)に対して金額ベースで 124億7000万ドル(約1兆3593億円)の減少となり、10~19年の過去10年で初のマイナス成長。一方、販売員の総数は1.3%増の 1億1992万3434人で、18年に続き過去最高を更新した。
 国別市場規模で上位20カ国(表参照)の世界シェア率は90.2%。18年(91.2%)より1.0ポイント低下した。
 18年実績で米国を抜き、初の1位となっていた中国(239億5400万ドル)が30.0%減とし、大幅に市場規模を縮小させた。
 19年の中国は、大手直鎖・権健自然医学(天津市)の製品利用者死亡問題を契機として、1~3月に政府当局が健康食品業界を対象とした 大規模調査・規制〝100dayReview〟に着手。同年を通じ、直鎖業界の営業・販売活動が自粛、縮小を余儀なくされた。
 WFDSAは、この影響で中国市場に関する一部データの入手に支障を生じたことから、19年の中国の数値は入手可能なデータに基づいた推定値としている。 なお、中国を除いた世界の市場規模の前年比は1.4%増で、直近3年間の平均成長率は1.5%だった。
 中国以外のトップ5は、3位の韓国(176億8300万ドル)が3.8%増、3位のドイツ(174億5300万ドル)が5.0%増と拡大。 1位の米国(352億100万ドル)は0.4%減、5位の日本(156億2400万ドル)は1.2%減と縮小させた。
(続きは2020年10月1日号参照)