リゾネットの処分取消し請求訴訟㊦
弁明機会付与での行政手続法違反の主張、高裁も退ける
第二審でも、同社は改めて手続き不備を主張。違法行為を受けた消費者が会員登録した時期と所在地域の2つの情報から、弁明書の提出期間である 2週間程度の間に、当該の消費者とその勧誘者、公認プレゼンター(セミナーで講師役を務める会社公認の会員)を特定することの困難さを訴えていた。
が、高裁は、行政手続法違反の主張を退けた地裁の判断を支持した。
地裁は、消費者の登録時期は〝〇年△月頃〟、所在地域は〝関東地方〟といった形で「相応の具体性をもって記載」されていたと指摘 (訴訟では関東地方に含まれる都県を茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨、長野、静岡として取り扱い)。
会員については同社が詳細な情報をもち、毎月の新規登録数は278人~516人の間で推移していたことと合わせ、 「該当する可能性のある者をそれなりの確度をもって絞り込むことが可能」「かなりの確度をもって、消費者、勧誘者および公認プレゼンターの 組み合わせを特定することが可能」だったと判断した。
高裁はこの地裁判断を支持した上で、補足説明の形で手続きの妥当性を説明。処分を行う際には、消費者から詳細に勧誘状況等を聞き取る必要があり、 そのためには「対象事業者からの返礼等を恐れる消費者の、自己のプライバシーや調査に応じたことを対象事業者に知られたくないとの 要望を尊重する必要もある」とした。
(続きは2020年9月10日号参照)