シャルレの今期見通し 18億円の最終赤字に、売上は14%減見込む

コロナ対策で代理店に「応援金」、サンプル無償化も

 シャルレ(本社・神戸市須磨区、奥平和良社長)は7月31日、新型コロナウイルス問題にともない算定を見送っていた21年3月期業績見通しを 公表した。感染防止の取り組みで販売活動が大きく制限されることから、売上は二ケタ減を見込み、減収やコロナ対策費の計上等にともなう 販管費の増加などが損益を圧迫。最終赤字に転落する。販売現場向けの対策は追加インセンティブ、サンプル無償化などを実施。 業績悪化を受けた繰延税金資産の取崩、役員の一部報酬返納にも着手する。
取締役は報酬返納10~20%を5カ月
 業績予想は、売上高が前期比13.9%減の135億円(グラフ参照)。9月中間期(64億円)は前年同期比で21.4%減を見込む。
 〝3密〟を避けるための取り組みで、「ビジネスメンバーによる直接的なコミュニケーションでの販売が困難」(同社公表より)となり、 第1四半期売上が「大きく前年を下回る」(同)結果となったほか、通信販売のダイレクトサービス事業も「ビジネスメンバーの稼働率の低下」 (同)を理由として第1Q売上が「大きく前年を下回っている」(同)とした。
 緊急事態宣言解除などを受けて販売活動を再開した第2Q以降も、補整下着の試着会や大規模な会合などが「年内は制限される」(同)見通しで、 これにともない通期売上が「大きく減収となる見込み」(同)としている。
 通期の損益は、営業損失12億8000万円(前期は2億3900万円の利益)、経常損失12億7500万円(同2億7300万円の利益)、 純損失18億1000万円(同7300万円の利益)で、赤字転落の見通し。
  繰延税金資産の取崩は2億6300万円。繰延税金負債2億5900万円の積み増しも行い、計5億2200万円を法人税等調整額に計上する。 役員報酬の返納額は常勤取締役5人が月額の20%、社外取締役2人と監査役3人が10%。返納期間は8~12月の5カ月。
(続きは2020年8月20日号参照)