宮城県が見送り、条例による有効化新聞業界など反発、5道府県除き規制の動きなし

 いわゆる「訪問販売お断りステッカー」に消費生活条例で法的効力を与えるか検討していた宮城県は、ステッカーによる訪問勧誘規制案を見送ることを決めた。 訪販関係の業界から反発が強く、国や他の都県でステッカー規制を検討する動きも見られないことが理由。一方、現行の条例には特定商取引法の再勧誘規制に該当する 規定が存在しないことから、他の自治体の条例の整備状況も参考に現行条例を見直す方向で検討を進める。
国や自治体の動向「見極めていく」
 宮城県におけるステッカー規制は、17年12月の県議会において、規制を求める自民党議員の質問に答える形で、村井嘉浩県知事が検討する考えを表明。 これに対し、不招請勧誘規制の導入に熱心だった仙台弁護士会が実現を求める意見書を県に提出する一方、日本新聞販売協会や新聞公正取引協議会・宮城県支部が 反対を唱えていた。
 県は昨年1月の消費生活審議会で、ステッカー規制の導入課題および状況を整理。事務局を務める県環境生活部消費生活・文化課から、 健全な営業活動も一律に禁止・阻害する過剰規制にあたるか∞国は規制導入に慎重な姿勢で、導入を検討中の都県でも積極的な動きが見られない≠ニ報告されていた。
 その後、県は業界からの意見聴取、他の都道府県におけるステッカー規制の導入・検討状況の調査を改めて実施。昨年10月31日の審議会でその結果を報告するとともに、 ステッカー規制は「消費者の権利や安全の確保に一定の効果が期待される(中略)一方では訪問事業者の権利や経済活動への影響など様々な問題の指摘も(ある)」 「様々な問題の解決には多くの時間を要する」として、「『ステッカー規制』の導入に関しては、国や他の自治体の動向や社会情勢を見極めていくこととし、 消費者トラブルの防止に向けた各取組の実施を強化していきながら、消費者保護を図ってまいりたい」との方針を説明。委員から一定の理解を示す意見が出ていた。
 2月12日に開催される次回審議会のテーマは、21年度を初年度とする県の消費者施策推進基本計画の骨子案を予定し、ステッカー規制関連は含まれていない。 (続きは2020年2月13日号参照)