ナリス化粧品 強み活かしたブランド戦略 シェア1位の「ふきとり」多様なチャネルで強化

主力の訪販事業では、主力ブランド「ルクエ」の刷新によって訴求力を強化。また、一般流通向けのブランドにおいても、〝ふきとり〟は他社との差別化を図る大きな強みとなっている。
1月21日に発売したスキンケアブランド「ルクエ」は、今回で3度目のリニューアルを果たした。
製品特徴としては、従来の「ルクエ」に配合している「黒ニンジンエキス(カロット液汁)」や「白花豆エキス(ベニバナインゲン種子エキス)」に加え、海藻の「カズノイバラ」から抽出した 「モーイエキス(アルゲエキス)」を全品に配合。同社の研究によると、「モーイエキス」には、ストレスによって低下した皮膚バリア機能を改善する効果がある。 また、ナリス化粧品の美容理論の根幹を成すふきとり化粧水「コンク」には、オリジナルのふきとり成分である「純化白花豆エキス(ベニバナインゲン種子エキス)」を新たに配合した。 使い心地は、女性自身が「自分の肌の変化にしっかりと気づき、必要なお手入れを適切に行う」という基本に立ち戻り、正しい使い方や肌の変化を感じやすさを重視。 事前に実施した2週間連続の実使用テストでは、8割以上の女性が効果を実感した。
新「ルクエ」はまた、同社の美容理論であるふきとり、即ち「コンク」を改めて主役に位置づけた。BBクリームなど、1品で化粧水や乳液、ミルクなど複数の機能をもつマルチパーパス アイテムが化粧品市場で人気を博す中、新「ルクエ」においても、1品でふきとりと保護化粧水をこなす「オールパーパスローション」をラインナップしている。 ただ、「コンク」の〝つるつる〟と、「ローション」の〝ごくごく〟を兼ね備えたアイテムは、ともすれば効果実感が分かりづらくなる場合もあることから、改めて「コンク」にフォーカスすることで、 紹介する側・される側、双方にとって分かりやすいアプローチに変更したという。新「ルクエ」は、機能性の向上にとどまらず、マーケティングや販売員研修など、 さまざまな部分で新しい試みが取り入れられているのが大きな特徴だ。
ナリス化粧品は、ふきとり化粧水で国内トップシェアを誇っており、ふきとりは文字通り同社の原点と言える。ふきとり用化粧水の国内市場は194億円(2017年度)で、トップはナリス化粧品 (30億円)、これにドクターシーラボ(22億円)、ELCG(20億5000万円)、資生堂(17億円)、P&Gジャパン(15億5000万円)と続く。
近年の夏は猛暑が続いており、外出先での汗ケアのニーズが高まっている。「ネイチャーコンク」は、もともとふきとりを兼ねたオールインワンタイプのアイテムとして需要があったが、 シートタイプの化粧水の需要が高まっていることを受けて、「ふきとり化粧水シート」を発売する運びとなった。汗のケアだけでなく、外出先で美白ケアと角質ケアができる顔・全身に 使用できるふきとり化粧水シートという位置づけで、汗やべたつき、においをふきとるだけでなく、肌の露出が多い季節でもうるおいと透明感のある健やかな肌を整える。
ふきとり化粧水を含んだ3層構造のシートが、古い角質をすっきり取り除き顔や身体を整える。また、くすみや乾燥の原因となる余分な古い角質や毛穴汚れだけでなく、においの元となる汗、 汚れ、古い角質、ベタつきも取り除く。特徴成分として、プラセンタエキス、グリチルリチン酸ジカリウムを配合したほか、透明感を高める天然由来の保湿成分(ヨクイニンエキス、 サボンソウエキス、ユキノシタエキス、ヒアルロン酸)を配合した。1枚で美白、角質除去、朝の洗顔代わり、保湿、肌荒れ防止、浸透アップをサポートする。肌にやさしいアルコールフリー 処方で、アルコール入りの化粧品が苦手な人も使用できる。ニーズが高まっているシートタイプの化粧水とふきとりを含む多機能性を組み合わせることで、さらなるニーズ獲得を図る構えだ。