ポーラ・第2四半期業績 減収幅縮小も予断許さず

下期に最高峰ブランドで攻勢
新サロン戦略は全貌見



  ポーラ(本社・東京都品川区、小林琢磨社長)は、2025年1月にトップが交代し、執行陣の若返りを図って新たなスタートを切った。それから半年以上が経過した現在、状況は改善傾向にあるのか。8月6日に発表されたポーラ・オルビスホールディングスの2025年12月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比0.7%減の832億5300万円、営業利益が同12.3%増の82億1700万円、経常利益が同43.5%減の62億8200万円、当期利益が同38.1%減の46億4300万円となった。減収幅が縮小、営業利益はプラスとなったが、主力事業であるポーラブランドについては、依然として予断を許さない状況にある。

好調なオルビス
ポーラは予断許さず

 ポーラ・オルビスホールディングス全体の業績については、売上高が想定より下回る結果となった。主力のビューティケア事業の実績をみると、売上高が802億円で前年同期比1.4%減、営業利益が同2.2%増の80億6400万円と、減収増益。このうち、ポーラブランドについては、売上高が同3.2%減の444億9000万円、営業利益が同0.8%減の52億200万円と、減収幅は縮小しつつあるものの、引き続きマイナス基調にあることには変わりない。グラフ1では、2009年12月期から直近の2025年12月期第2四半期までの売上高および営業利益率の推移を示した。また、グラフ2では販売チャネル別の売上構成比の推移を示した。
 他のブランドの売上高をみると、オルビスブランドが同3.3%増の247億8500万円、Jurliqueブランドが同9.8%減の36億9900万円、育成ブランドが同0.5%減の72億2500万円となっている。前期まで小林社長が陣頭指揮をとっていたオルビスについては、ビューティケア事業の中で唯一増収を達成しており、引き続き堅調に推移。既存顧客の安定化による基盤の強化が進んでいるほか、直販以外で展開する外部チャネルが約20%の売上伸長率を達成した。オルビスでは、小林社長時代に、かつての通販ブランド≠ニいうカテゴライズから脱却し、付加価値のある高価格帯アイテムの売上比率を上げるなど、ブランディングの見直しを図ることで業績回復につなげてきた。オーストラリア産の原料を用いたオーガニック化粧品を展開するJurliqueブランドは、メーン市場であるオーストラリアおよび中国における市場環境の変化などを要因に苦戦が続いている。「DECENCIA」や「THREE」といったブランドを展開する育成ブランドは売上微減となった。このうち、DECENCIAについては、オフラインの出店など新たな顧客接点の創出を図り、売上高は前年同期比4.2%増と増収を達成した。
 オルビスブランド以外、減収となった第2四半期だが、ポーラブランドも予断を許さない状況が続く。

(続きは2025年8月28日号参照)