シャルレ 3月期売上5%減の156億、衣料・化粧品が苦戦

今期見通し「算定困難」、中計目標は変更せず
 シャルレ(本社・神戸市須磨区、奥平和良社長)の20年3月期は、アウター系衣料や増税後の反動を生じた化粧品の苦戦で、 売上高(一部ボーナス支払い費用等含まず)が前期比5.1%減の156億7100万円となった(グラフ参照)。損益は減収や在庫ロス増加を受け、 営業利益が同34.3%減の2億3900万円、経常利益が同26.9%減の2億7300万円、純利益が同67.1%減の7300万円。在庫ロス増加は、 数量限定品中心の発売計画やアウター類における限定品の販売不振が響いたという。最終損益は、4月1日付け支店統廃合にともなう特別損失1億1000万円 (原状復帰工事費など)の計上も響いた。なお、今期(21年3月期)見通しは、新型コロナウイルス問題にともない「合理的な算定が困難」として非公表。
 製品カテゴリー毎の売上は衣料品類(118億2500万円)が同5.7%減。スポーツ用インナーウェアの「スポーツブラジャー・ショーツ」や、 数量限定で無縫製インナーウェア「ハーフトップ・ショーツ」を投入。販促キャンペーンの「ブラフェスタ」でブラジャーの売上本数が伸びた。 消費増税前とメイト(愛用会員)価格の割引率変更前の駆け込み需要も追い風となり、ファンデーション(補整下着)類全体の売上が前年を大幅に上回った (割引率は変更前が25%、変更後が20%。20年4月より適用)。
 これに対して、アウター類全体の売上は前年を大幅に下回った。ワールドグループ(神戸)と共同開発した数量限定のウールコート、2WAYショルダーバッグが 好調に推移した一方、主力ブランド「ドレッセ」から出した夏向けのカットソーやパンツが不振。アイテム数の縮小や一部の発売時期が今期にずれ込んだこと、 品揃えやデザインに対する顧客評価の問題などが響いた。生活関連商品類は前年に刷新したウエルネスピローが不調だった。
 化粧品類(23億6800万円)は同6.8%減。前期に刷新し、プロモーション用販促品を発売した主力ブランド「エタリテ」が好調だったものの、 既存定番品の販売が大幅に落ち込んだ。健康食品類(10億5400万円)は同8.1%増で、新規投入した内臓脂肪を減らす機能性表示食品 「びわの葉入り まるごと発酵茶」やモリンガ青汁製品の好調により前期を大幅に上回った。
 営業政策は、前述「ブラフェスタ」や、メイトおよび一般消費者対象のプレゼント企画「ワクワクキャンペーン」を展開したが、 新規獲得数が前期を大幅に下回った。毎年9〜11月恒例の販促キャンペーン「チャレンジコンテスト」は、消費増税でビジネス活動が鈍り、 入賞者数が伸び悩んで実施期間中の売上は前期を下回った。WEB通販の「ダイレクトサービス」は駆け込み需要で受注数、 単価が上向いた一方、駆け込みを超える反動の影響で売上が前期を下回った。
 昨年5月に策定・公表した3カ年中期経営計画は、最終年度とする来期(22年3月期)の目標に変更はなく、売上高175億円、営業利益4億円以上を目指す。 計画の柱の一つに据える、M&A・提携による新規事業開拓も続ける。ただし、コロナ問題で販売員の活動に自粛がみられるほか、会社主催の大規模イベントの中止、 営業支援活動の自粛などに見舞われており、「予断を許さない経営環境が継続」するとしている。