シーボン 20年3月期連結売上高が11%減にコロナや天候不順、増税など影響

 シーボン(本社・東京都港区、犬塚雅大社長)の2020年3月期売上高は、連結ベースで前期比11.5%減の111億100万円となった。
 損益面は、売上原価率が前期比0.2ポイント上昇の22.7%、販管費率が同1.8ポイント上昇の77.2%となった結果、営業損失は3億1800万円、 経常損失は2億7000万円、当期損失は10億7000万円となった。新型コロナウイルスに伴い新規顧客向けのイベント集客が低迷したほか、 台風などによる全国規模での店舗臨時休業、既存顧客は消費税率引き上げ後の反動・買い控えなどが響いた。損益面では、基幹システム開発計画の見直しによって、 減損損失5800万円を特別損失に計上したほか、新型コロナに伴う臨時休業などによって店舗の収益性低下が見込まれることから 減損損失2億8600万円を計上した。

 同社は、2018年3月期から3カ年経営計画を進めており、「新たなシーボンへ│革新と挑戦│」を経営指針に設定し、「新たなお客様の開拓」 「現場力の向上」「より強いブランドへ」を重点課題と位置づけている。前期は既存店の立て直し、顧客とのつながりを強化することによるブランド強化を進めた。 イベント集客時のイメージギャップの解消を目的に集客ツールの見直し、ブランド認知の拡大を図った。WEB広告と店舗における集客イベントの強化を図ったほか、 首都圏の私鉄5路線で交通広告を実施した。新規チャネルの開拓も行っており、新たな販路の1つとしてテレビ通販にも進出し、 インフォマーシャルによるブランドの認知向上を図っている。集客活動では、ブライダルなど女性と関わりの深い企業・団体とのコラボレーションイベントや、 Webマーケティングの強化を行っている。また、Webマーケティングなどの強化による新たな集客の柱の育成を実施したほか、 ビジネスモデルの理解促進を図る集客ツールの刷新、新規顧客向けの化粧品セットの開発等を行った。このほか、外部研究機関との連携強化によるエビデンスの 収集を行い、製品・サービスの付加価値向上を図った。さらに、サロンのフランチャイズ展開をスタートさせ、「シーボン ビューティテラス」として 直営展開が難しいエリアを中心に、サロンビジネスをシンプルにパッケージ化したビジネスモデルを展開していく。 昨年8月には、第1号店が長野県松本市にオープンした。

 前期は、前出の要因が影響した結果、新規集客が伸び悩み、新規来店者数が前期比36.6%減となった。また、併せて既存顧客の継続数も同7.7%減少した結果、 売上高は2ケタ減となった。

 製品面では、4月に美白スキンケアブランドから「クリアローション」「フレッシュセラム」「モイスチャークリーム」をリニューアル発売したほか、 「トリートメントマセ」「クリアウォッシュ」を発売した。5月には、紫外線等によるダメージをケアするサロン用スペシャルケアセット「SPA 04」、 6月には酢飲料「酵素美人」3アイテムを発売。8月には、スペシャルケアセット「SPA BG」と「パックセット BG」を期間限定で発売した。 10月にはサロン用スペシャルケアセット「SPA 08」を期間限定で、11月および12月には酢飲料「葡萄美人」「酵素美人│金」をそれぞれ数量限定で発売、 1月にはサロン用アイテム「パックセットHM」と、高純度オイル「スクワランオイル」を投入した。
 販売施策としては、効率性の低いイベントの見直し、新たな販売方法への移行などを行ったが、自然災害や消費税率引き上げの影響などから新規来店者数が減少し、 既存顧客数の継続数も伸び悩んだ。

 今期については、4月〜5月は新型コロナの影響を大きく受けた。既に大半の直営店舗で営業を再開しているが、予約制限などを行っているほか、 イベントプロモーションは全面的に自粛しており、事態の収束時期などが見通せないとしている。業績見通しについては、業績予想が開示可能となった段階で 速やかに公表するとしている。